企業通訳という仕事

Hola todos!

本日はメキシコ独立記念日ということで念願の祝日です。

メキシコでは日本と違って中々連休を取れないのでこの喜びを噛み締めてます。笑

 

今回の記事では僕の本職である企業通訳職についてザッと紹介していきます!

 

 

立ち位置

まずは企業通訳という立ち位置について。

職業柄、役職という概念がなく基本的には同じポジションで働いていくことになります。

つまり昇給や昇格というのがないので、仕事で良い通訳をしても給料や立場は変わらず、もし給料を上げたければ会社に個人的に交渉するか転職するしかありません。

また基本的には受け身で仕事をすることになるので、同僚や上司に必要とされる時に呼ばれ通訳をし、マイペースに仕事をするということはあまりありません。

自分の意見を入れてしまうと話し手の意図が伝わらないということが起きてしまい本末転倒になってしまうので、主張が強い人は苦しい思いすると思います。

 

大変さ

ありすぎて中々まとめるのが難しいですが(笑)、何とかコンパクトにまとめます。

 

ー自分の知らない分野の通訳

これは通訳業を始めてから引き続き苦戦しています。

例え両方の言語がネイティブレベルでも内容を母語でしっかり理解できていないと直訳で不自然な表現になり、後でボロが出て理解違いが生まれてしまいます。

 

ー不穏な空気になる

内容や言っていることが聞き取れず何度も聞き返し間違った訳を繰り返すと周りに気まずい空気が流れ益々通訳しづらくなります。

忍耐力がない人は通訳を無視して完璧ではない英語で伝えようとし、通訳に任せるくらいなら英語で伝えた方がまし、という戦力外通告をされた気持ちになります。苦笑

 

ー頭と心の消耗

通訳をするということは、人の何倍も話しますし頭を使うことになります。

短い会話や自分の知っているテーマであればさほどですが、込み入った話をしたり長い会議の通訳をした後は自分で何の言語で話しているかわからなくなるくらい疲労します。

また難しいテーマの通訳をしてつまづくと、かなりセンシティブになるので少し呆れられるような態度を取られると心が折れミスを恐れ負の連鎖が起きてしまいます。

 

良いところ

ここまでネガティブな内容になってしまいましたが、ここで通訳をやってて良かったと思う点を紹介します。

 

ー集中力がつく

誤解が生まれないよう正確に伝えるのが通訳の使命なので、普段の会話の3倍以上は集中しなければいけないので、単純に集中力がアップします。

 

ー伝える力が身に付く

不自然な表現を少しでもすると誤訳につながり間違った理解をされてしまう、ということが起こることは稀ではありません。

伝えることには人一倍デリケートになるので、通訳した後も相手の反応を見ながら本当に伝わっているかな、と慎重になります。

その結果普段の会話でもその感覚が役に立ちます。

 

ー知識を蓄積できる

難しい内容の通訳は心が折れますが、その分学べるチャンスは広がります。

自分が今まで触れてこなかった分野に関わることができ、将来的にそこで学んだことを活かしてその分野に転職できる、という選択肢も持つことができます。興味があればの話ですが。

 

ー言語スキルが爆速で上がる

人の何倍も話すことになるのでその分会話力が上がり、また正しい表現を使うことに必死になるので、単純に言語スキルが上がります。

普段の会話であれば「何となく」理解できれば良いというレベルで済みますが、通訳となるとそうは行きません。

そこで全神経を使って話を聞くことになり、必然的にリスニング力を上げざるを得ない状況になります。

ただしこれはある程度言語力のベースがあるというのが条件になると思います。

初心者レベルであればまずは普段の会話で難なく理解できるレベルまで持っていきましょう。

 

まだまだ思うところは山ほどありますが、今回はこの辺にしておきます。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます!